HEIWA・PGM Championship 2018  11/1(THU)2(FRI)3(SAT)4 (SUN)PGMゴルフリゾート沖縄

ニュース 3rd Round

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NEWS2018.11.03富村真治、3年間悩まされたイップスは完治し、いざ最終決戦へ

 悪天候によるコースコンディション不良によって第3ラウンドの競技が一時中断している間、クラブハウス周りはプレー待機している選手やスタートの準備をしているスタッフ、ボランティア関係者らで騒然としていた。それでも、どこからか、可愛い笑い声が漏れ聞こえて来た。

 沖縄出身の富村真治と大会特製オリジナルキャップを被ったジュニアゴルファーの姿があった。富村は初日から69・68と着実にスコアを作り上げ、通算7アンダー・8位タイで決勝ラウンドに進んでいた。富村はジュニアゴルファーのキャップにサインを丁寧に書いてあげながら、楽しそうに会話していたのだ。

 自宅から1時間掛けて富村の応援に来たという金城悠くん(小学校5年生)と、記念写真と撮り始める。「せっかく駆けつけてくれたのに、僕のプレーを見せてあげられずとても残念です」と白い歯を見せながら、富村は金城くんの方に視線を送る。

 幼稚園からゴルフを始めたという金城くんとは、知人を介して仲良くなったのだという。「彼は凄いんですよ。だって、この難コースをこの間回って79のスコアだったんですからね。将来が楽しみですよ」。一方の富村は、昨年は予選通過に一打及ばなかったが、今大会では予選通過を果たした。この日のプレー次第では優勝争いにも加われる好位置につけていた。表情がとても明るくなっただけではなく、声にも張りがある。1年前とはまるで違う。一皮むけた感じが伝わってくる。

 天国から地獄へ。2015年のことだった。当時24歳だった富村はミズノオープンで3位タイに入り、全英オープン出場資格を得た。初めての世界メジャー戦。ゴルフ聖地のセントアンドリュース・オールドコース。通算3オーバーで予選落ちを喫した。世界の厚い壁を肌で感じただけでなく、大きな土産を授かってしまったのだった。パットイップス。地獄へ転落した。

「グリーンに上がるのが、怖くなってしまうほどでした。イップスが3年近くも続き、昨年の大会では、カップを見ずに打っていたほどなんですよ、実は」。その答え方自体、まるで他人事のようだったことで、察知できた。イップス完治。

「この3年間、イップスのことを事細かに勉強し、テニスや野球だけでなくビリヤードなど同じ病に襲われた経験を持つ選手からも様々な治療法やアドバイスを頂戴して来ました。お陰ですっかり治り、昔のようにパットが大好きに、得意になりました」。

 イップスに襲われていた間、成績不振も当然続いた。だが、完治して臨んだ今季は自身の主戦場となったAbemaTVツアーに11試合出場し、予選落ちを喫したのはわずか1試合。賞金ランキング28位。今大会は主催者推薦で出場している。そして予選を突破。

「ベスト10に入れば翌試合に出場できますが、僕は来季のツアー出場資格を争うサードQTに来週挑みます。(通過の)自信はあります」と胸を張ってみせ、再び金城くんに視線を送り、二人ともニコリと笑った。応援してくれる人がいてくれる。パワーをもらえる。地元の利を活かし、明日、富村は猛チャージを仕掛ける。一気に優勝ならサードQTに挑む必要がなくなるからだ。

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